日本郵政の新規事業と郵政株の売却時期を巡って、日本郵政株よりゆうちょ銀行とかんぽ生命を完全民営化しろっていう声があるらしい(※1)。ただ、「民業圧迫」とか、「暗黙の政府保証」っていう主張は、ようはお題目を唱えているだけに等しくて、深い意味はないだろう。そもそも日本郵政の財産って、国民の財産でしょ。それを新規事業前に売れっていうのは付加価値をプラスする前に売れっているようなもんでしょ。国民の財産を安く買い叩きたいっていうことを。きちんと付加価値を付けて、国民の資産を増やすのは当然の行動。まぁ、そもそもあんまり競合しているとも思えないし、消費者っていう補助線を入れて考えれば、民業が国民圧迫しているとしたら(暴利を貪っているとしたら)、ある程度に民業に圧迫する行為は、国民救済ということになる。自然エネルギー事業(再生可能エネルギー)事業問題で、税金以上に国民から効果的に金銭を徴収できる電気料金に(※3)、値上げという形で国民に負荷をかけることを国・政府が認めて新政商に利権を与えたけど、その価値は政府保証のある値上がりだけ確実な未知数のもの(※4)。本来なら国営事業としてやり、軌道にのった段階で民営化するべきなら、正当な価値評価で、株を細分化して売るべきなのに、大資本、大きな生産手段を持つ者たちにだけ、優先して利益を与えることを政財界競合で国を食い物にしているっていうのが現状だろうし、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株を寄こせって叫いているのは同趣旨だろ。日本郵政株だと、間接的にしか支配できないじゃないかとか、あるいは、それが欲しいというところか。郵貯を1000万円までの貯金っていう制限をかけたのも同趣旨だろうが、日本国民の経済力が落ちてきた今、そのくらいあれば、あんまり民間に流れる分はそんなに多くなくなったから、全部寄こせというところか。資本主義が牙を剥いているんだろうね(※5)。
※1.
金融2社なお「政府保証」 民間と溝深まる - SankeiBiz(サンケイビズ)/2012.10.27
http://www.sankeibiz.jp/business/news/121027/bse1210270502002-n1.htm
※2.
コラム「郵便局の住宅ローン」(2012-10-07)
http://ciaosorella.blog70.fc2.com/blog-entry-7368.html
※3.
コラム「恥さらしな東京電力とマスコミ」(2012-06-03)
http://ciaosorella.blog70.fc2.com/blog-entry-4436.html
※4.
コラム「泣く子と地頭と新政商」(2012-09-21)
http://ciaosorella.blog70.fc2.com/blog-entry-7239.html
コラム「東京電力と新ファミリー企業」(2012-07-03)
http://ciaosorella.blog70.fc2.com/blog-entry-5348.html
コラム「射倖性と投機性」(2012-05-07)
http://ciaosorella.blog70.fc2.com/blog-entry-4280.html
※5.
コラム「牙を剥く資本主義」(2012-10-08)
http://ciaosorella.blog70.fc2.com/blog-entry-7376.html
コラム「消費税増税と保守派」(2012-10-27)
http://ciaosorella.blog70.fc2.com/blog-entry-7509.html
(2012/10/28)
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